観光地で売られている一口サイズのご当地グルメやソフトクリーム。食べながら散策することを楽しみにしている観光客も少なくないが、京都や浅草など名だたる観光地で問題になり、禁じる動きも出ている。神奈川県鎌倉市では、この件を盛り込んだ条例も審議中だ。何がそんなに問題なのか。
JR鎌倉駅東口から鶴岡八幡宮方面へ、約300メートル以上にわたり商店が連なる小町通り。ソフトクリームやせんべいなどを売る店が並ぶ。2月下旬の日曜日の昼下がり、友人と歩きながらコロッケを食べていた男子学生(19)は「買ってすぐ食べたいし、道で立ち止まって食べると迷惑になる」と話した。
だが、鎌倉市では現在、混雑時の「食べながら歩き」を迷惑行為と位置づける条例案が審議中だ。罰則はない。市の担当者は「食べながら歩くことを禁止する意図はなく、マナーに配慮して過ごしてほしい、という趣旨」という。
ここ数年、「食べながら歩く客のマナーが悪い」などの苦情が市に寄せられていたことから、条例案に盛り込まれた。鎌倉小町商店会の高橋令和会長は「条例化はありがたい」と歓迎する。食品が地面に落ちるほか、路上にゴミが捨てられたり、汚れた手で商品に触られたりする問題もあるという。「お客さんに、買った店やその前で食べてもらうよう促すことを各店に呼びかけているが、必ずしも守られていない」
小町通りで揚げ物を販売する男性は「周りが汚れないように包み紙を付けているし、食べながら歩くことを楽しみに来ているお客さんも多い。行政がマナーまで縛るのはおかしい」と反発する。
実はこの問題、鎌倉に限ったこ…