高校野球で史上初となる2度目の春夏連覇を果たした昨年の大阪桐蔭でベンチ外だった投手が、6日に開幕した関西学生リーグで早速デビューした。大阪桐蔭の控え左腕だった道端晃大。入部したての同志社大で、8日の公式戦に登板し、好投した。大学に進学した「最強世代」の投手としては、最も早い公式戦デビューとなった。
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わかさ京都であった近大との3回戦。3点を追う八回に、4番手としてマウンドへ上がった。相手は3番からの好打順。4番には昨年大学日本代表に選ばれた佐藤輝明(3年、仁川学院)を据える強力打線だが、「弱気やったら打たれる」と気持ちを奮い立たせた。
直球とツーシームを投げ分け、打たせて取る投球で打者3人で切り抜けると、2死二、三塁とされた九回も、腕を振って最後の打者を内野ゴロに打ち取った。球速も自己最速の141キロに迫る140キロをマーク。チームは敗れたが、1点も与えられない場面で無失点と好投し、「7、8割の状態だったが、0点で抑えられてよかった」と、ほっとした表情を見せた。
同学年に柿木蓮(日ハム)や横川凱(巨人)、二刀流で活躍した根尾昂(中日)らがいた高校時代。ベンチ入りできたのは3年の春だけで、春夏の甲子園はずっとアルプス席から声援を送った。「高校3年間でやりきれなかったことを大学で」と、新生活をスタートさせた。
オープン戦からメンバー入りし、3回戦でのベンチ入りが決まった7日夜、高校時代の恩師・西谷浩一監督に電話で報告。「出番があったらがんばれよ」と励まされたという。デビューを果たし、道端は「同期がみんな頑張っているので、負けずに頑張ろうと思う。試合に勝ちたいです」と話した。
同大には、「最強世代」のレギュラーだった外野手の青地斗舞(とうま)も一緒に入学し、1戦目からベンチ入り。出場は先を越された形となった青地は「正直言って悔しい。次は直訴してでもチャンスをもらおうと思います」と刺激を受けていた。(高岡佐也子)