都立校の春の挑戦が終わった。27日に神宮第二であった東京都春季高校野球大会(本大会は112チームが参加)の準決勝で小山台(こやまだい)が国士舘に3―10(七回コールド)で敗れた。今春の選抜出場校のぶ厚い壁にはね返されたが、甲子園まであと1勝に迫った昨夏に続く躍進だった。
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1―2で迎えた五回の大量失点が痛かった。エース安居院(あぐい)が先頭に本塁打を許しリズムが乱れる。ここからの3連打に失策が絡むなどして計5点を奪われた。六回に飯田の適時二塁打などで2点をかえしたが、その裏、さらに3点を追加された。福嶋監督は「相手の実力が上でした」。
品川区にある都立の進学校だ。午後5時下校など野球をする上では制約があるなか、奮闘している。140校132チームが参加した昨夏の第100回全国選手権東東京大会では安田学園、帝京を破るなどして決勝まで進み、二松学舎大付に3―6で敗れた。今春も準々決勝で早稲田実相手に3度のリードをはね返して7―6で競り勝つなどして、4強まで勝ち上がった。
「昨夏の準優勝の後で『日本一弱い』と言ってきたチームだった。それがここまで来られたのは、冬季の彼らの努力の成果」と福嶋監督。「安居院だけでなく、私学と対等に戦える投手を夏までにもう1人は育てたい」と課題を挙げた。主将の池本は「勢いだけでは勝ちきれないことが分かった。強豪校に引けをとらない強さを個人個人が身につけたい」と力をこめた。
5年前、第86回選抜大会に21世紀枠で選ばれたのが唯一の甲子園経験だ。悲願の夏へ。自信も宿題も得た春だ。(竹田竜世)