社民党の福島党首が連立与党離脱を示唆しました。普天間基地移設問題の結論は、来年に先送りする方針です。
「年を越して、日米との間に極めて不穏な空気になる。私はそういうことはない」(北澤俊美 防衛相、2日)
普天間基地の移設問題で、これまで年内決着が望ましいとしていた北澤防衛大臣は2日、「年内にこだわらなくても日米関係に問題は生じない」と強調しました。
夜、北澤大臣は国民新党の亀井代表らと会談、出席していた沖縄選出の下地政調会長は・・・
「(普天間問題は)政局になったのよ、これは。安全保障論とか安保論とか外交論ではなくて、政局なんです。(Q.年内に結論が出る出ないとかは?)亀井さんが出すなと言っているのに出すんだったら政局でしょう」(国民新党 下地幹郎 政調会長)
そして3日朝、社民党の福島党首は党の常任幹事会で次のように発言しました。
「辺野古の沿岸部に海上基地をつくるという決定を、この内閣が行った場合には、重大な決意をしなければならないと思っております」(社民党 福島みずほ 党首)
鳩山総理が辺野古沿岸部に移設するという決定をした場合は、連立政権から離脱も辞さない、という考えを表明したのです。
福島党首の発言を受けて、鳩山総理は・・・
「辺野古への移設に対しては、大変厳しい思いを持っておられますから、社民党、そして国民新党さんの思いは大事にしていきたい、そう思っています」(鳩山首相)
連立政権の維持を重視する鳩山総理の意向を踏まえ、政府は年内に結論を出さず、先送りする方針です。4日に開かれる日米の閣僚級の作業部会で説明する見通しですが、アメリカ側がどう受け止めるかは不透明です。
こうした中、鳩山総理が先月、辺野古沿岸部へ移設する場合は、普天間基地の危険性を早めに取り除くため、基地の機能を暫定的に、沖縄県内外の複数の施設に分散することを検討すべき、という考えを周辺に示していたことが明らかになりました。
関係者によりますと、宮崎県の自衛隊・新田原基地、佐賀空港、伊江島の補助飛行場など施設名を具体的に挙げたということです。
その意向に歩調を合わせるように県外移設の可能性を探る動きも出ています。
国民新党の下地政調会長と社民党の阿部政審会長は北澤大臣と会談し、関西空港への基地機能の一部受け入れの議論に応じる姿勢を示している大阪府の橋下知事と会うよう要望しました。北澤大臣は来週にも会談することに前向きな考えを示したということです。
また、移設問題で鳩山総理からは、時間をかけて丁寧に取り組むよう指示されていることを明らかにしたということです。
「総理の考えに乗って私(北澤大臣)もやりますと言っていました。きょうは私は間違いなく12月には結論をお出しにならないんだなということは感じました」(国民新党 下地幹郎 政調会長)
「年内に決めなきゃいかんとか、そういう議論を私どもはしているわけではありません。普天間のことを考えれば、事故がまた起きてはいけませんから、結論は急がなければいけませんねと」(鳩山首相)
(03日23:04)