翁長雄志沖縄県知事が菅義偉官房長官との初会談で、米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する沖縄の民意を伝えた5日、会談が行われた那覇市のホテル周辺などには反対派の市民が集まり、「私たちの声を真剣に聴け」と移設反対を訴えた。
両氏の会談が始まる前の午前9時ごろ、ホテル周辺には野党の国会議員や県議、市民ら約300人が集まった。翁長氏を乗せた車が目の前を通ると「頑張れ」と声がかかり、翁長氏も車の窓を開け手を上げて応じた。
会談終了後の午前11時ごろ、菅氏を乗せた車がホテルを後にする際は「沖縄の民意を聴け」「移設作業をやめろ」との怒りの声が響いた。
沖縄市から抗議に参加した玉那覇トミ子さん(79)は、昨年の知事選や名護市長選で移設反対派が勝利したと強調。「民意は明らかなのに、菅さんは理解していないふりをしているようだ。県民の感情を逆なでしている」と頬を紅潮させた。
一方、移設先とされる名護市の元市長、島袋吉和氏は「政府が進める辺野古移設は、市街地にある普天間基地の危険性の除去が目的だ。翁長知事がかたくなに反対していたら普天間の危険除去は前に進まない」と県の対応を批判した。〔共同〕