沖縄県警沖縄署捜査本部は23日、NPO法人代表の女性(63)を刺殺し、バッグを奪ったとして、同県沖縄市出身で住所不定の無職少年(18)=窃盗などの疑いで逮捕=を強盗殺人などの疑いで再逮捕した。少年は「刃物で刺してバッグを奪ったのは間違いない。初めから殺すつもりではなかった」と話しているという。
逮捕容疑は9日午前1時半~午後0時50分ごろ、沖縄市のNPO法人「サポートセンターゆめさき」事務所兼住宅に窃盗目的で侵入し、2階住宅部分で代表の上江田静江さんの背中を刃物で刺して殺害、バッグや携帯電話を奪った疑い。
捜査本部によると、少年は事件当日、ミニバイクで現場から那覇空港へ向かい、同日午後には飛行機で愛知県に到着。空港付近でバイクが見つかったほか、少年が通過した可能性のある道路周辺で血痕が付着した刃物や着衣が押収され、捜査本部は空港に向かう途中で捨てたとみて調べている。
少年は事件2日後の11日、上江田さん方から約700メートルの別の住宅で8日に現金を盗んだ疑いなどで愛知県警に逮捕された。窃盗事件があった住宅と殺害現場で少年の指紋が見つかり、捜査本部が関連を調べていた。
沖縄市教育委員会などによると、ゆめさきは不登校やひきこもりの小中学生を学習指導する支援に取り組んでいる。上江田さんの遺族は23日、県警を通じて「容疑者が逮捕され安堵しているが、私たちの苦しみや悲しみは終わらない」とのコメントを出した。〔共同〕