日本経済新聞社と同社の喜多恒雄社長(当時)らが、事実無根の見出しと記事で名誉を著しく傷つけられたとして、週刊文春を発行する文芸春秋(東京・千代田)などに損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は8日までに、文芸春秋側の上告を退ける決定をした。文芸春秋側に謝罪広告の掲載や賠償などを命じた一、二審判決が確定した。決定は5日付。
問題となったのは、2012年7月に発売された週刊文春の「日経新聞喜多恒雄社長と美人デスクのただならぬ関係」と題した記事など。
一審・東京地裁判決は、文芸春秋側に対し「喜多社長の部屋に女性デスクが宿泊していたなどの記事はいずれも事実に反する誤報であり、取り消します」などとする謝罪広告を日経本紙と週刊文春に掲載するよう命じた。週刊文春のウェブサイトに掲載している記事・写真の削除と、計1210万円の賠償も命じた。
二審・東京高裁判決は、文芸春秋側の新たな主張を退けて「全証拠によっても(記事を)真実と認めることはできない」とし、一審判決を支持した。
日本経済新聞社のコメント 当社の主張が認められた妥当な決定と受け止めています。
文芸春秋・社長室のコメント 当方の主張が認められず、誠に遺憾である。