アフガニスタン北部クンドゥズで昨年10月、米軍攻撃機が国際NGO「国境なき医師団」(MSF)が運営する病院を誤爆し、42人が死亡した事件で米軍は4月29日、関係した将官ら16人を処分したと発表した。調査で「意図的でなかった」と結論付け、軍法会議での訴追は見送った。
米中央軍のボテル司令官は「人為的なミスやプロセスの間違い、装備の不具合が重なった」とした。処分は停職や文書による譴責(けんせき)、訓戒などで「昇任できないなど今後のキャリアに影響する」と説明。標的は病院から約400メートル離れた反政府勢力タリバーンの拠点だったが、建物の外見が似ていたという。
遺族には6千ドル(約64万円)、負傷者に3千ドルが支払われたという。
MSF側は声明で「処分内容は、病院の破壊や42人の死者、数十人の負傷者を出したことに釣り合いがとれていない」と非難した。(ワシントン=杉山正)