コリジョンルールの適用について阪神の金本監督に説明した後、報道陣の取材に応じる日本野球機構の友寄審判長(左から2人目)ら=横浜スタジアム
■スコアの余白
あまりに不親切ではないか、と強い違和感を覚えた。11日の阪神―巨人戦(甲子園)。本塁での危険なプレーを避けるため、今季から導入された「コリジョン(衝突)ルール」が適用され、判定が覆った際のことだ。
スコアの余白2016
三回表2死二塁からのクロスプレーで一度はアウトがコールされた。リプレー検証後、杉永責任審判がマイクを握った。「大変、長らくお待たせしました。リプレー映像検証の結果、コリジョンを適用してセーフとします」
言ったのは、これだけだ。なぜ適用されたのか。阪神の捕手原口の、どの動作が問題となったのか。この放送では、球場にいる誰にも分からない。金本監督が猛抗議したが、「リプレー検証の後は抗議は出来ない。お帰りください」と言われたようだ。「原口が最初から走路に入っていたから適用した」。杉永審判が報道陣に理由を説明したのは、試合終了後、ベンチ裏通路でのことだった。
今回の適用をめぐっては阪神がセ・リーグに意見書を出すなど騒動になった。13日には日本野球機構の友寄審判長らが金本監督に説明するため横浜スタジアムを訪れた。取材に応じた審判長に場内放送の件を聞くと、「意見は頂いている。今の説明の仕方でいいのか、検討していきたい」。ファンは安くないお金を払って球場に来ている。導入したばかりだからこそ、より丁寧な態度が必要だ。