自宅の畑に植えたサカキの手入れをする吉国保男さん=山口県周南市金峰
山口県周南市で2013年7月、5人を殺害し、住宅2軒に放火したとして、殺人と非現住建造物等放火罪に問われ、一審・山口地裁で死刑判決を受けた同市金峰(みたけ)の無職、保見光成(ほみこうせい)被告(66)の控訴審が25日、広島高裁で始まった。弁護側は無罪を主張し、新たな証拠の採用を求めたが、多和田隆史裁判長はいずれも却下し、即日結審した。判決は9月13日。
保見被告側は一審で、妄想を抱える「妄想性障害」があり、責任能力がないと主張。しかし、山口地裁は障害を認める一方、責任能力はあったとして死刑判決を言い渡した。
25日の控訴審で、被告側は改めて妄想が判断能力に重大な影響を与えたと訴え、別の精神科医による意見書を証拠とするよう請求したが採用されなかった。
一審判決によると、保見被告は13年7月21日午後6時半~22日午前6時ごろ、同じ集落に住む当時71~80歳の男女5人を木の棒で多数回殴って殺害し、住宅2軒に放火した。(久保田侑暉)