聖光学院―クラーク国際 八回表聖光学院無死満塁、小泉は左中間へ走者一掃の適時三塁打を放つ=内田光撮影
(12日、高校野球 聖光学院5―3クラーク国際)
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10年連続出場の経験値はダテじゃない。慌てず騒がず、聖光学院が逆転で初戦を突破した。
七回までクラーク国際の平沢津から2安打だけ。右横手からの緩急差を生かした投球に抑えられていた。そして2点を追う八回、先頭の鎌倉が四球を選び、続く加納は外角のシンカーをたたいて中前安打。鈴木駿のバントは平沢津が一塁悪送球。これで無死満塁だ。
自らのミスでピンチを広げ、あえぐ平沢津。左打席に2年生の小泉が入る。関西入りしてからの好調を斎藤監督が見逃さず、5番に引き上げられていた。
「苦しんでる3年生を助けてやれ」。打席に入る前、コーチにそう言われた小泉は、初球を打つと決めていた。外角直球をたたくと、クラーク国際の“大志”をくじく打球が左中間を割った。走者一掃の逆転三塁打。西川の犠飛で1点を加え、逃げ切ってみせた。
百戦錬磨の斎藤監督は試合前に言った。「今年のチームは、自分たちは力がないと認めてるところが強みでしょう。だから挑戦者として向かっていける」。監督の見立てを体現する逆転勝ちだった。(篠原大輔)