椎江博・大阪学院大高監督
■第1試合 市和歌山―日南学園
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日南学園は初戦で無失策。看板の打線も6回に集中打を浴びせるなど、実力を発揮した。市和歌山のエース赤羽は丁寧な投球を心がけたい。1回戦は2失点完投。和歌山大会の好調を維持できているのは好材料だ。両チームは、ともに今春の選抜の初戦で悔しい負けを経験。反省からスタートした夏への挑戦は甲子園での1勝という結果を残した。自信を持って2回戦に臨めるだろうし、大量点が入って簡単に崩れるようなことはないはず。競った、いい試合を期待できそうだ。
(椎江博・大阪学院大高監督 尽誠学園で2002年春夏連続8強)
■第2試合 樟南―花咲徳栄
ともに左の好投手を擁するチーム同士の対戦。大会屈指とされる花咲徳栄の高橋昂は初戦で9回1失点も10安打を浴びた。直球主体で、地方大会のように変化球を有効に使っていなかった。力が入りすぎているのかもしれない。樟南の浜屋も身長173センチながら角度のある球を投げるという印象だ。ただ初戦では8回を投げて四球を三つ与えた。鹿児島とは違う暑さ、甲子園の雰囲気もあったのかもしれない。エースが冷静さを取り戻したほうが、試合を有利に進められそうだ。
(小枝守・拓大紅陵前監督 1992年全国選手権準優勝)
■第3試合 広島新庄―富山第一
初戦、富山第一が八回まで無安打の末のサヨナラで、広島新庄は延長十二回。両チームとも苦戦の末、勝ち上がった。ともに打線が振るわず、そのことを引きずっていないかどうかにまず注目したい。特に富山第一は左腕攻略に苦心しただけに、広島新庄のエース左腕、堀に対してどう攻めるかも見どころとなる。両者とも持ち味は機動力。ただ富山第一の捕手、狭間は1回戦で3度も盗塁を阻み、肩の強さを見せつけた。広島新庄にはプレッシャーとなるだろう。
(豊田義夫・利根商監督 大阪・近大付で選抜大会3回出場)