ペルーのフジモリ元大統領
ペルー・リマで17日に開幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)を巡り、同国のフジモリ元大統領(78)=収監中=が、現役時代の「功績」をアピールする手記を発表し、地元で話題になっている。リマで起きた日本大使公邸人質事件で1997年に日本人の人質救出に成功したことが、「ペルーのAPEC加盟を後押しした」と振り返っている。
手記は15日付でツイッターに投稿された。それによると、かつてフジモリ氏が大統領だった頃、日本の橋本首相(当時)からAPEC加盟の展望について「新規加盟は認めない決まりがある」と説明されたことがあった。
しかし、97年4月に人質事件で日本人の解放に成功すると、「数日後に橋本氏がペルーの加盟を他国の首脳らと相談すると語り、救出に感謝を示した」と、フジモリ氏は回顧している。
さらに、「私はその時初めてトンネルの中に光を見た」と述懐。人質事件での救出作戦をAPEC加盟につながる「歴史的な出来事」と位置づけた。
ペルーでのAPEC開催は2008年に続き2度目。90年から10年間、大統領を務めたフジモリ氏は、左翼ゲリラのテロやハイパーインフレ問題を解決し、経済成長を軌道に乗せた経緯がある。だが、政権では汚職や人権侵害が表面化。フジモリ氏は禁錮25年の判決を受け収監されている。(リマ=田村剛)