野球の国・地域別対抗戦、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本と同じ1次リーグB組の中国代表に、大リーグで実績を残した左腕がいる。39歳のブルース・チェンだ。2年前に引退したが今大会のために復帰した。
チェンは、大リーグにデビューした1998年から2015年途中に引退するまで、11チームに所属した。オリオールズ時代の05年に13勝するなど、大リーグ通算82勝81敗、防御率4・62。祖父母が中国出身の中国系パナマ人で、WBCは06年の第1回大会と09年の第2回大会にパナマ代表で出場した。
引退後はインディアンスで若手の育成に携わっていたという。昨年11月、中国代表のジョン・マクラーレン監督に請われて復帰を決意。中国では野球はまだマイナー競技で、豊富な経験を生かし、発展途上の代表を引っ張ることになった。
2日に米国から来日し、4日に京セラドームであったオリックスとの強化試合で先発した。復帰後初の実戦は2回を投げ3安打2失点。直球は130キロ台中盤で上ずっていた。それでも「内角を突けたし、制球はブルペンで修正できる。内容は悪くない」とチェン。
ベテラン左腕は日本戦で登板する可能性もある。「自分のルーツの国を代表して投げる機会をもらえて光栄。(1次リーグの球数制限の)65球をめいっぱい投げたい」と気合十分だ。(松沢憲司)