(14日、西武3―2ロッテ)
まさに起死回生。西武のメヒアが土壇場で逆転2点本塁打を放った。
1点を追う九回2死一塁、フルカウント。「多くのことを考えず、ボールをバットの芯で捉えることだけ考えた」。真ん中に入ってきた直球を、大きなフォロースルーのスイングで迎え撃つ。
「自分はホームラン打者。当てにいくより、思い切って自分のスイングをする方がいい。自分を信じた」と話す通りの豪快な振り。風速10メートル近い逆風が吹き荒れるなか、「感触はすごくよかったが、風が強かったので確信はなかった」という打球は左中間席へ届いた。
例年より2~3キロ体重を落としてシーズンに臨んでいる。「感覚的には、すごくよくできている」。初アーチを放ったのは今季7戦目と時間がかかったが、その試合を含めて、4試合で3本塁打。確実に調子を上げてきた。
何より本塁打を放った試合は3戦3勝。これで日本で通算99本塁打となった強打者が、今季は主に6番に座っているのだから、相手にとっては脅威的な打線だろう。
投手の軸である菊池が7回2失点で踏ん張り、4番中村とメヒアの一発で競り勝って4連勝。これ以上ない勝ち方で今季初めて貯金を2にまで積み上げた。辻監督は「きょうは大事だった。貯金1だったから、きょう勝ったのは大きい」と満足げだった。(松元章)