首都圏が地盤のスーパー、いなげや(本社・東京都立川市)の男性店員(当時42)が2014年6月に脳梗塞(こうそく)で死亡したのは長時間労働による過労などが原因だったとして、さいたま労働基準監督署が労災認定していたことが17日わかった。遺族の代理人弁護士が記者会見して明らかにした。
認定は昨年6月28日付。代理人によると、男性はいなげや志木柏町店(埼玉県志木市)の一般食品売り場で発注や在庫管理を担当する責任者だった。14年5月25日、勤務中に急に言葉が出なくなり、そのまま入院。その後いったん職場に復帰したが、同6月5日の勤務終了直後に意識を失い、同21日に死亡した。
労基署が認定した男性の時間外労働時間は、発症前の4カ月(14年1月26日~5月25日)の平均で75時間53分、1カ月あたりの最大は96時間35分(14年1月26日~2月24日)。政府が導入を目指す罰則付き残業規制の上限である「2~6カ月の平均でいずれも月80時間」「単月で100時間未満」の範囲内だった。
同店では始業と終業の時間をタイムカードで記録して労働時間を管理していたが、実際はタイムカードを押す前と押した後も仕事をしていたことが、警備システムの管理記録などから判明したという。労基署は「特定できない労働時間があると推定される」と指摘。タイムカードの記録にはない「サービス残業」が常態化していた可能性がある。男性は早朝出勤や深夜勤務などのシフト勤務を続けており、労基署はこうした不規則な勤務時間も過労との関連が強いと判断した。
遺族は17日、いなげやに法的…