阪急阪神ホールディングスの社長に昇格する杉山健博氏=阪急電鉄提供
阪急阪神ホールディングス(HD)は、杉山健博副社長(58)が社長に昇格する人事を固めた。角和夫社長(68)は会長に就く。阪急、阪神両グループの経営統合で阪急阪神HDが発足して10年が過ぎたことから、組織の若返りを図る。
6月の株主総会後の取締役会で正式決定する。杉山氏は4月1日付で就任した阪急電鉄社長と兼務する。杉山氏は阪急電鉄で経営企画の担当が長く、グループ全体の経営戦略でも中心となってきた。村上世彰氏率いる投資ファンド「村上ファンド」による阪神電鉄株買い取り問題では、交渉役だった。今後は大阪・梅田に大型ビルを建設する計画や、神戸三宮駅(神戸市)と一体の「神戸阪急ビル東館」の建て替えなどで推進役を担う。
角氏は阪急と阪神の経営統合を主導し、その後にできた阪急阪神HDの社長に2006年に就任。バブル期に不動産投資で膨らんだ借金を減らすなど財務体質の改善に努め、阪急梅田駅前の再開発を手がけた。一方で関西経済連合会の副会長を務め、海外からの観光客を呼び込む「関西観光本部」の副理事長にも就いており、今後は財界活動に軸足を移す。