自民党は8日、受動喫煙対策を強化する法案をめぐり、屋内禁煙を原則としつつ、小規模店は「喫煙」や「分煙」の表示があれば喫煙を認める妥協案をまとめた。茂木敏充政調会長が党内の規制強化派と慎重派双方の議員連盟トップとの間で合意した。全面禁煙を掲げる厚生労働省案を骨抜きにする内容で、塩崎恭久厚労相の対応が焦点となる。
都内のホテルで2時間近く開かれた会合には、茂木氏と規制強化派の議連会長を務める山東昭子氏、規制慎重派議連の会長である野田毅氏、歴代厚労相経験者らが出席。同席した田村憲久政調会長代理によると、「望まない受動喫煙」を防止することで一致した。
そのうえで、飲食店の取り扱いについて、大規模店は原則禁煙としたうえで喫煙ブースなどを設置すれば喫煙を認める。小規模店は店ごとに対応を選べる形とし、「喫煙」や「分煙」といった区分の表示を義務づけることを確認した。店舗の大きさは床面積を基準にすることを想定しており、今後、田村氏らが厚労省と詳細を詰める方針。
厚労省は床面積30平方メートル以下のバーやスナック以外は、屋内禁煙とする案を検討してきた。塩崎厚労相は近く飲食店の関係団体に対し、厚労省案を自ら説明する予定で、「妥協はしない」(周辺)姿勢を示している。しかし、この日の会合出席者は「これでまとまらなければ法案は通らない」と牽制(けんせい)しており、塩崎氏が党の妥協案に応じるかが当面の焦点となる。