五回に右越えソロ本塁打を放ち、喜ぶ早稲田実の清宮(右)
高校野球の春季関東大会第2日が21日に茨城県であり、ひたちなか市民球場での2回戦に登場した早稲田実(東京)が花咲徳栄(埼玉)に延長十回タイブレークの末、10―9で逆転サヨナラ勝ちし、8強入りした。早稲田実の清宮は「3番・一塁」で出場、五回に高校通算94本目となるソロ本塁打を放つなど6打数4安打3打点で勝利に貢献した。
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延長十回無死一、二塁で始まるタイブレーク。十回表に2点を先行された早稲田実はその裏、2番雪山からの打順を選択する。
雪山が左前安打でつなぎ、無死満塁で清宮に打席が回ってきた。「後ろに(4番で強打者の)野村がいるので気楽にいけた」。この試合で球速148キロを計測していた花咲徳栄の2番手清水から、右前適時打を放って1点を返した。続く野村が「球が速いのでコンパクトに振ること心がけた」と右中間へ2点二塁打を放ち、逆転サヨナラで決着をつけた。
18―17の乱打戦を制した春の東京都大会決勝と同様、早稲田実はこの日も打撃戦となった。三回に5点を先行。1点リードの五回に清宮が右翼席にライナーで運ぶソロ本塁打を放った。六回に3点を奪われ逆転を許したが、九回2死二、三塁、清宮が左前適時打を放って同点に追いついた。
清宮は「こういう展開ばかりで、九回も誰もあきらめていなかった」と笑顔。本塁打は球場全体がどよめくような低い弾道で右翼席に運んだが、「低めを引っかけ気味に打って自分は飛ぶので。持ち味を出せた」と振り返った。
この日のひたちなか市民球場は「清宮フィーバー」に沸いた。午前2時45分に駐車場を開放し、入場券販売と開場も約2時間早め、午前5時35分にした。内外野で収容数2万5千人の同球場で内野スタンドはほぼ満員で、外野にも多くの観客が詰めかけた。(坂名信行)