千葉県が発注した排水路工事の一般競争入札に絡み、工事情報を不正に業者に漏らしたとして、県警は23日、県東葛飾土木事務所(同県松戸市)に勤務していた県の幹部職員2人を官製談合防止法違反容疑で逮捕する方針を固めた。この情報を元に入札したとして県内の建設会社の元役員も逮捕する。捜査関係者への取材でわかった。
逮捕されるのは、3月まで東京都に近接する松戸、野田、流山、鎌ケ谷の4市の道路や河川の整備をする県東葛飾土木事務所の所長だった男性職員(58)と維持課長だった男性職員(51)、松戸市にある県内大手の建設会社の元役員の男(74)。
捜査関係者によると、幹部職員2人は同事務所に勤務していた昨夏ごろ、排水路工事の一般競争入札で、落札業者が決まる前に予定価格などの非公開情報を元役員に漏洩(ろうえい)。同社が入札に参加することで官製談合をし、公正な入札を妨害した疑いがある。
工事は、県道の雨水を下水に流す施設を整備するためのもので、入札には元役員の建設会社を含めて3社が参加し、このうち1社が辞退。最終的に同社が約1億1400万円で落札した。予定価格に対する落札率は90・4%だった。
県警は今年9月以降、3人のほか、入札に関係した複数の人物から任意で事情聴取。工事の関係資料を分析し、3人の関係を調べてきた。