信越化学工業は、塩化ビニール樹脂の新工場を米国に建設すると発表した。従来の原料より割安に調達できる現地のシェールガスから製造して価格競争力を高め、米国やアジアの新興国などで増えている需要を取り込む狙い。
子会社の米シンテック社が生産能力年29万トンの工場をルイジアナ州に新設し、2021年に稼働する。投資額は14・9億ドル(約1650億円)。
信越化学は、配管や窓枠などに使われる塩ビの生産量で世界トップで、約7割を米国で生産する。これまでは主に、天然ガスを原料に作ったエチレンをもとに塩ビを製造してきた。
天然ガスに代用でき、安く手に入るシェールガスの生産が近年、米国で本格化。原料の調達コストを削減できるとみて、米国での新工場建設に踏み切る。