(10日、高校野球 日大三16―3折尾愛真)
伝令役多い日大三の副主将「プレーもやれる」証明3安打
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序盤の大量得点で優位に立った日大三。だが、1番金子凌(3年)は終盤まで緊張感を抱き続けていた。七回裏2死一、二塁で迎えた6打席目。「お前だけだぞ」。ベンチから声が飛ぶ。先発出場の中で金子だけ安打を放っていなかった。一回は打者13人の猛攻だったが、金子は2度の凡打に。先頭打者の役目を果たそうと考えすぎて、硬さが抜けなかったという。
「何としても先発全員安打にする」との思いを胸に、背番号5は左打席へ。フルカウントからファウルで6球粘った。12球目を右前へはじき返して16点目の適時打とすると、一塁上でようやく笑顔を見せた。
西東京大会では初戦で苦戦した日大三だが、5年ぶりの夏の甲子園では大勝発進となった。金子は「チームとしては成長できていると思う。次こそは1番打者として出塁を増やしたい」と話した。(辻健治)