台風20号の接近に伴い、JR西日本は23日午後から京阪神地区の最終電車の時間を大幅に繰り上げる「予告運休」をした。大阪北部地震でも課題となった帰宅困難者対策の一環だ。こうした動きを受け、企業もあらかじめ早めの帰宅を促す動きが加速している。 台風20号、きょう夜に上陸へ 四国・東海で大雨に警戒 JR西日本は23日朝、京阪神地区で午後から運転本数を減らし、多くの路線で終電を早めることを発表した。災害前にあらかじめ運休を発表したのは、直前まで運行して混乱が広がるのを避けるためだ。 JR西が大規模な運休予告に初めて踏み切ったのは、2014年10月13日夜に近畿地方に上陸した台風19号のときだ。前日の12日午後1時すぎ、翌13日の午後4時ごろから京阪神地区の全24路線で運休すると発表した。予告通りに運転を取りやめ、約48万人に影響が出た。 当時、利用者からは賛否の声が上がった。台風の進路や勢力は変化することから、JR西の社内検証では「間引き運転などで対応できた可能性がある」「範囲の縮小や部分的な運転再開など柔軟に判断していく」などの意見が出たという。 帰宅困難者が出た今年6月の大阪北部地震や過去の経緯を踏まえ、今回は前日の22日昼に運転本数を減らすことや最終列車の繰り上げなどの「可能性」を駅などで利用者に知らせ、路線ごとの運休見通しについては当日朝に公表した。 JR西の担当者は「帰宅時間を見通せるよう、早めのお知らせを心がける一方で、運行できる路線は運行することも大事にしていく」と説明する。 私鉄各社は路線ごとの運休予告については慎重だが、近鉄は22日午後9時半に23日夕方以降の運行見通しを発表した。担当者は「早め早めに運行情報を知らせる必要があると判断した」としている。 JR四国もJR西と同様、台風などの災害の恐れがあるときは、雨量計や風速計が一定値を超えることなどを待たず、事前に運休予定を発表している。担当者は「急な運休で混乱を避けるために早めに運転計画を明らかにしている」と話す。 |
JR西日本が「予告運休」へ 台風20号、帰宅対策加速
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