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「あの子ども部屋は、ずっと空き部屋になってしまうな」 2003年、岩手県北上市の片方(かたがた)司さん(68)は、手術台の上でぼんやりと思っていた。マイホームに子ども部屋を造っていたが、障害を理由に母や兄に不妊手術を強いられた。優生保護法の強制不妊手術の規定が廃止されてから、7年が過ぎていた。 高校時代、いじめなどで統合失調症を発症し、進学した大学には1年も通えずに入退院を繰り返した。 同じ病を持つ女性と45歳で出会い、結婚を考えた。だが親族から「籍は入れるな」「子どもを作るな」と反対された。婚姻届を出せないまま、1998年に女性が子どもを身ごもる。「父親になるんだ」と喜んだのもつかの間、女性は1週間後に流産した。 女性と別れ、症状が悪化して精… |
子ども部屋造ったマイホーム でも母は不妊手術を迫った
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