普天間基地の移設問題です。鳩山総理は年内の決着を先送りする方針ですが、さらに新たな移設先を探すよう指示していたことが分かりました。
4日朝、外務省に集まった普天間基地移設問題に関する日米作業部会のメンバー。鳩山総理が、年内決着先送りの方針を決めたこと受け、「何を議題にするのか」といった事前の調整に手間取るなど、混乱が生じました。
「辺野古しかないのかと、ほかの地域はないのかということは前々から申し上げている話で、それを今検討している訳ですから」(鳩山首相)
その鳩山総理が、基地の新たな移設先を探すよう指示していたことが明らかになりました。政府内では、鳩山総理の指示は国外を視野に入れたものだという見方が強まっています。
3日、辺野古に移すなら連立離脱も辞さない考えを示し、4日、無投票で党首に再選されたこの人は・・・。
「この内閣が県外国外移設について、きちんと検討していないんじゃないかと私は思っておりました。大変歓迎していますし、本当に実はうれしく思っています」(社民党・福島みずほ 党首)
そして、移設の可能性を探る候補地として浮上したのが、「グアム」です。
「グアムに全部移設するということが、アメリカの抑止力を考えたときに妥当かということは、ひとつ検討する必要があると思う」(鳩山首相)
沖縄から2000キロあまり離れた場所に位置するグアム。日米両政府は在日アメリカ軍再編計画の中で、辺野古沿岸部に新たな基地ができれば、沖縄に所属する海兵隊員8000人をグアムに移転させるとしています。民主党や社民党の一部からは、その再編計画の範囲内ととらえて、普天間基地の機能自体をグアムに移せないかという案が出されています。
「私たちはそもそも、普天間の代替施設はグアムであると。総理の選択肢が広がったという状況ですから、年末年始、精力的にさまざまな交渉が行われることによって、総理が最後に決断されるのではないかなと思います」(民主党・川内博史 議員)
北澤防衛大臣は来週、そのグアムに視察に訪れる予定です。
「 (グアムに)近々行ってきますから、現地をよく見てきます」(北澤俊美 防衛相)
こうした中、東京都内で講演したアメリカのルース駐日大使は、年内の決着を目指すよう、日本側に暗に促す発言をしました。
「来年は日米同盟の次の50年のためにも、我々はもっと広い範囲の課題に取り組まなくてはなりません」(ルース駐日大使)
一方、岡田外務大臣は・・・。
「(Q.(移設問題が)年を越した時のデメリットは?)あまり考えたくありません。しかし、非常に懸念はしています。外務大臣として」(岡田克也 外相)
4日午後には、迅速に結論を出す目的で設けられた日米の作業部会が開かれましたが、日本側の方針がはっきりしない中で、作業部会の目的自体が不明確になりつつあります。
政府内からも、作業部会の結論を尊重するとしていた総理の発言は、一体何だったのかといった疑問の声が上がるなど、基地問題も、日米関係も、先の見えない状況に陥っています。(04日18:54)