キリンホールディングスは、傘下でワイン大手のメルシャンを完全子会社化すると発表しました。メルシャンで売上高を水増しする不正取引が発覚した問題を受け、企業統治を強化するのが狙いです。
「キリンホールディングスとメルシャンが連携して一体となって、グループガバナンスの強化、再発防止策の対応、お客様からの信頼の回復をやっていく」(キリン 三宅占ニ 社長)
キリンホールディングスは現在、メルシャンの発行済み株式のおよそ50%を保有しています。しかし、メルシャンでは魚のえさを製造・販売する部署が架空の売買によって売上高を水増していたことが発覚したため、キリンはメルシャンの企業統治を強化するには、経営の一体化による再建が必要と判断しました。
株式交換を12月1日に実施して、メルシャンのすべての株式を取得し、完全子会社にします。
「ステークホールダーのデメリットを色々考え、様々な選択肢を検討したが、最終的にこの形がベストであると判断した」(メルシャン 植木宏 社長)
また、メルシャンは経営責任を明確にするため、月額報酬の50%を3か月間カットするなどの社内処分を行いました。メルシャンは、11月26日に上場廃止となる見通しです。(27日16:15)