「鈴蘭南座」の外観=名古屋市北区
62年の歴史に幕――。名古屋で唯一の大衆演劇の常設芝居小屋「鈴蘭(すずらん)南座」(名古屋市北区)が6月末で閉館し、11日から解体されることがわかった。10日午後1時から「さよなら興行」を入場無料で開く。
1954年、愛知県江南市にあった酒蔵を移築して芝居小屋にした。建物は名古屋市の登録地域建造物資産になっている。小屋を経営する長野栄太郎さん(71)によると、フォーク歌手の岡林信康さんや高石ともやさんが舞台に立ったこともあるという。
長野さんは「『楽しかった。また来るでね』というお客さんの声に長年支えられただけに続けたい気持ちがあった。でも持病があり、子どもたちに心配をかけたくないので」と話す。