力投する明徳義塾の中野=阪神甲子園球場、金居達朗撮影
(20日、高校野球準決勝 作新学院10―2明徳義塾)
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明徳義塾の描く展開にはならなかった。一回、失策などで2死二、三塁。エース中野は作新学院の5番藤野を追い込んだが、甘い変化球を右翼線に運ばれ、2点先行を許した。「ボールで良かった。ストライクゾーンに入った」。甲子園登板4戦目での初失点でリズムが狂う。
相手は好投手今井。これ以上の失点は許されなかったが、三回にまたも失策絡みで3点を失う。この試合、堅守の明徳らしからぬ4失策。「1年生のミスもあったので何とか助けようと思ったが、助けられなかった」とうつむいた。
序盤の主導権争いで後手に回り、試合巧者の本領を発揮できないままゲームセット。中野は「ベスト4まで来られたのはうれしかったが、ここまで来たら負けたくなかった」。ただ、選抜初戦敗退の屈辱は晴らせた。「野手に助けられた」と最後は仲間に感謝した。(福角元伸)
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●西村(明) 三回、左越えにソロ本塁打。「負けてしまったら、本塁打を打っても、ヒットを打っても意味がない。勝てる野球をしたかった」と涙。
●馬淵監督(明) 「守りのチームが四つエラーをしてはいけない。それがすべて失点につながった。そこは作新学院がうまかった」と残念そう。