「果し合い」(C)2015時代劇専門チャンネル/スカパー!/松竹
時代劇専門チャンネルを運営する日本映画放送とスカパーJSATが共同制作した「果し合い」が26日、国際的なメディアコンクール「ニューヨーク・フェスティバル」で、ドラマスペシャル部門最高賞の金賞を受賞した。民放地上波から時代劇が少なくなる中、CS局の作った作品が国際的な評価を受けた形だ。
ニューヨーク・フェスティバルは世界50カ国から英BBCや米CNNなどが出品するコンクール。ドラマスペシャル部門は単発の長編ドラマが対象だ。
「果し合い」は、藤沢周平原作で、仲代達矢さんが主演。ドラマ「北の国から」で知られる杉田成道監督が手がけた。厄介者の主人公が、世話を焼いてくれるおいの娘の窮地を救うために戦う物語で、2015年10月にBSスカパー!で放送。「江戸時代の武士の人生観や愛を生き生きと描き出した」と評価された。
時代劇は制作費がかかることもあり民放各社が制作を控える傾向にある。時代劇専門チャンネルは10年からオリジナル作品を作ってきた。国際的な賞の受賞は初めてという。杉田監督は「地上波ではなく、CSの番組が海外で評価されたことをとてもうれしく思っています。時代劇の魅力を日本だけでなく世界中に知っていただけるように、精いっぱい努めたい」とコメント。仲代さんは「人間の生き方、心情、寂しさ、思いやりがたくさん入っている作品です。そのようなところが、国境を越えて、世界の人の心にもしみたのではないかなと思います」としている。
6月1日夜9時から時代劇専門チャンネルと日本映画専門チャンネルで無料放送される予定。(滝沢文那)