(20日、ソフトバンク4―1日本ハム)
日本一奪還を目指すソフトバンクにとっては、うれし悲しい試合になった。
パ・リーグ優勝決定後、2戦連続で延長サヨナラ負け。お疲れ気味だったチームを、伏兵が豪快な一発で勢いづけた。同点の七回1死。代打塚田が初球の緩い変化球をフルスイング。左翼席中段に届く特大の決勝2号ソロで、日本一になった2015年以来となる年間90勝に達した。
この場面、工藤監督は下半身に疲労のあったデスパイネに代打を告げ、昨季2軍で首位打者を獲得した28歳の塚田に託した。出場機会が限られる中、一振りで大仕事をこなし、「そんなにチャンスはもらえない。アピールしていきたい」。
その一方で、次に見据えるクライマックスシリーズ(CS)に向け、打線は大きな痛手も負った。二回の攻撃。4番柳田が第1打席でファウルを打った際に右脇腹付近を痛め、その裏の守備から交代する羽目に。アイシングを施した柳田は「振った瞬間に痛みを感じた。痛いっす」。
工藤監督は優勝決定後も手綱を緩めなかった。「残り試合も勝つために最善を尽くす。消化試合はない」。守護神サファテは休ませたものの、打線はフルオーダーで臨んだ。
それだけに、パの打撃主要3部門で上位につける大黒柱の負傷には、厳しい表情を隠せなかった。「明日病院に行く。その診断を待ってからでないと、詳しいことはわからない」(甲斐弘史)