(28日、高校野球西愛知大会 愛工大名電9―4東邦)
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「立ち上がりの調子が悪い」。一回表の最初の打席。愛工大名電の1番打者柳本優飛君(3年)は、東邦のエース扇谷莉君(3年)を研究しつくしていた。「自分が打てば、チームは勢いに乗る」
2ボール1ストライクから、「カウントが厳しくなると投げてくる甘い直球」をセンター前へはじき返した。西脇大晴君(3年)、稲生賢二君(2年)の連打が続き、先制。「打線がうまくつながった」。入学以来の夢だった「100回大会優勝」に一歩近づいた。
大阪府松原市出身。イチロー選手にあこがれて愛工大名電に入学し、1年生からレギュラー入り。卓越した打撃センスから「イチロー2世」と評された。
2年前の夏、東邦との決勝では2番レフトでスタメン出場するも、2―7で敗れた。「倉野監督は2年後を考えて実力のない自分をメンバーに入れてくれた」。期待に応えたかった。
昨夏も1番打者として中京大中京との準々決勝に挑むも、無安打に終わり、チームも2―6で敗れた。当時は171センチ、66キロ。「体づくりをせず、技術のことばかり考えていた」とパワー不足を実感した。
最後の夏のために練習を改めた。冬場から「空腹の時をつくらない」と間食を増やし、ウェートトレーニングを重ね、体重を6キロ増やし、172センチ、72キロに。スイングスピードが速くなり、長打力がついた。
迎えた今大会。7試合中4試合で長打を放ち、打率は4割超。優勝への原動力となった。「2年越しに倉野監督への恩返しができた。甲子園でも勝利を届けたい」(申知仁)