スマトラ沖大地震と津波による犠牲者数は31日、ロイター通信などの集計で約12万4千人となった。すでに8万人のインドネシアでは、いずれ「10万人を超えるだろう」(保健省)といわれるが、今後は推計数だけ公表することにした。急ピッチの遺体収容に当局の確認が追いつかないため、とみられる。日本人の死者は17人となった。地震発生から1日で1週間になるが、救援活動の遅れや伝染病など二次災害の広がりが懸念されている。
インドネシアのハッサン外相は31日、緊急援助や中長期的な復興支援に向けた体制づくりのため、1月6日に被災国と東南アジア各国、日、米、中、韓国などを含めた拡大首脳会議をジャカルタで開く方針を明らかにした。「国際社会の人道的な結束」(外相)のメッセージを発信させる狙いもあり、アナン国連事務総長やブッシュ米大統領、世界銀行首脳も招く計画だ。
一方、国連のイゲランド事務次長(人道問題担当)は30日、300万~500万人が衛生面などで窮状にあると指摘。「下痢や赤痢、呼吸器系の疾患が実際に広がりつつある。今後数週間で津波による犠牲者数より多くの子供が病気で命を失いかねない」と警告した。国連のアナン事務総長も記者会見で「未曽有(みぞう)の地球規模の災害なので、前例のない地球規模の対応が必要だ」と呼びかけた。 (01/01 01:55)