防災林を整備することで津波の被害を減らすなど、生態系を活用した防災対策を普及させるため、環境省と国際自然保護連合(IUCN)は23日までに、世界の優良事例や導入方法をまとめた手引書を作ることを決めた。 3月14日から仙台市で始まる国連防災世界会議でシンポジウムを開催し、手引書を公表する。シンポでは宮城県気仙沼市の防潮堤と防災林を組み合わせた津波対策も紹介。同省は「東日本大震災の経験を世界へ伝えたい」としている。 環境省によると、森林には地中に張った根で土砂崩れを防ぐ働きがあるほか、海岸沿いの林やマングローブは海水の流れを弱めて津波や高潮の被害を減らす効果が見込める。湿地は水が流れ込み、周囲の洪水被害を和らげる役割が期待される。 このような生態系の防災、減災効果は国際的に関心が高まっているが、利用法に関する情報の共有は進んでいない。そこで同省は国連防災世界会議を機に、世界の取り組みを紹介する手引書をまとめることにした。 3月14日、仙台市で開かれるシンポジウムには、安倍昭恵首相夫人やアンダーセンIUCN事務局長らが出席する。 また、国内外の優良事例の一つとして、気仙沼市の離島、大島の復興の様子を気仙沼大島観光協会の白幡昇一会長が紹介。宮城県と住民が意見交換し、防災林を組み合わせて防潮堤の高さを当初の計画よりも低くした経緯について話す。〔共同〕 |
防災林普及へ手引書 環境省、津波対策の事例紹介
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