【NQNニューヨーク=古江敦子】8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が3営業日ぶりに大きく反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は前日比3.56ドル(6.6%)安の1バレル50.42ドルで終えた。米エネルギー情報局(EIA)発表の石油在庫統計で原油在庫が13週連続で増え、需給の緩みを警戒した売りが出た。
原油在庫の増加幅は市場予想を大きく上回った。生産量も増えた。足元の需給の緩みが鮮明となり、売りが膨らんだ。5月物は前日までの続伸で約10%上げていたため、利益確定を目的とした売りが出やすかった。
ガソリン、ヒーティングオイルも3営業日ぶりに反落した。
一方、金先物相場は続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である6月物は前日比7.5ドル安の1トロイオンス1203.1ドルで終えた。相場が水準を切り上げて推移していたため、利益確定目的の売りが優勢になった。
通常取引終了後の時間外で、6月物は下げ幅を広げる場面があった。米連邦準備理事会(FRB)が3月に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を発表し、複数の委員が「6月に利上げできる環境が整う」などと見ていたことが明らかになった。低調だった3月の雇用統計より前のFOMCではあるが、一時的に年内の早めの利上げが意識され、金市場への資金流入が細るとの見方から金が売られた。
銀、プラチナも続落した。