(19日、日本ハム1―0西武)
雪辱に燃えていた。「やられた分は、やりかえさないといけない」。日本ハムの左腕、吉川は心中を明かす。5日、相手本拠での対戦で、自身は満塁本塁打を含む9安打と打ち込まれ、四回途中でノックアウトされた。打線は岸に1安打完封と封じられた。2週間後に巡ってきた、再戦の機会だった。
「前回はストライクをそろえすぎた」。ピンチのときにはボール球から入ったり、緩い変化球も投げ込んだりと慎重を期した。そして、ここぞの場面では思い切り腕を振る。二回2死一、二塁で炭谷を右飛に、七回2死一、二塁で坂田を遊ゴロに仕留めたのは、いずれも直球だった。「いろんなボールをバランスよく投げられた。(捕手の)大野さんのおかげ」と感謝した。
オープン戦期間中に、軸足の左足を痛めた。開幕には間に合わせたものの、中盤でつかまる試合が続いていた。「(投球回数が)10イニングくらい足りなかった。1、2週間の遅れは2、3カ月かかってしまう」と吉井投手コーチも心配していたが、今季最長の7イニングを投げ、復調気配にはある。
100球で交代させた意図を、吉井コーチは説明する。「いい投手だけど、これまでの傾向を考えた。3連戦の頭に投げてほしい投手。できれば、きょうは1―0の完封ができるようになってほしい」。好投は認めつつ、さらなる成長を求めた。(山下弘展)
○栗山監督(日) 八回に牽制(けんせい)球で三走を刺した捕手の大野をたたえる。「捕手で勝つとはこういうこと」
○近藤(日) 一回に先制のソロ本塁打。「ちょっと上がりすぎたが、あそこ(右翼席)まで飛ぶとは」
○大野(日) 八回、牽制(けんせい)球で三走を刺す。「ルールが変わって、三塁走者は(本塁に)かえりたい気持ちが前に出るし」