2日の東京金融市場は、米大統領選の最終盤の情勢が不透明感を増したことから、円高・株安が進んでいる。東京株式市場は全面安の展開となり、日経平均株価は一時、前日終値より350円近く値下がりした。東京外国為替市場の円相場は一時、約2週間ぶりの円高ドル安水準となる1ドル=103円60銭台まで上昇した。
米有力紙のワシントン・ポストなどが実施した世論調査で、共和党候補トランプ氏の支持率が民主党候補クリントン氏をわずかに上回り、選挙結果が見通せなくなったことで、投資家の間でリスクを避けようとする動きが強まった。
1日のニューヨーク株式市場では、大企業で構成するダウ工業株平均の終値が前日より105・32ドル(0・58%)安い1万8037・10ドルと、9月中旬以来の安値をつけた。為替市場でも「安全資産」とされる円を買う動きが強まった。
2日の東京市場はこの流れを引き継ぎ、株式市場では円高による業績悪化の懸念から、自動車など輸出関連株を中心に売り注文が膨らんだ。午後1時の日経平均は、前日終値より310円91銭安い1万7131円49銭。午前の終値は同241円79銭(1・39%)安い1万7200円61銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同22・16ポイント(1・59%)低い1371・03。出来高は9億9千万株。外国為替市場の円相場は、午後1時時点の対ドルが前日午後5時より1円16銭円高ドル安の1ドル=103円77~79銭。対ユーロは、同40銭円高ユーロ安の1ユーロ=114円86~87銭。(土居新平、ニューヨーク=畑中徹)