オリックスの伊藤(右)と談笑する阪神の糸井=14日、京セラドーム大阪
フリーエージェント宣言をしてオリックスから阪神に移籍した糸井嘉男外野手(35)にとって、古巣はやはり憩いの場のようだ。昨秋のファン感謝イベント以来、約4カ月ぶりにかつての本拠地、京セラドーム大阪のグラウンドに立った。
14日のオープン戦は、阪神の主催試合。糸井は全体練習が始まる1時間以上前、すでに外野を走っていた。早出でフリー打撃を行い、全体練習ではセンターを守った。
後から練習を行うオリックスの選手たちがグラウンドに現れたとたん、相好を崩した。一塁側の相手ベンチに座り「落ち着くなあ、ここ。ホッとする」。あいさつに来た捕手の若月には「走るぞ」。背番号が39から5に変わった西野には「似合ってる」と言葉を交わし、場を盛り上げた。
居心地のよさ以上に、自分が成長できる環境を求めた――。誰もがそのアスリート魂を知っている。15日に「3番・指名打者」で移籍後初実戦となる打席に向かったとき、オリックスファンが詰めかけた一塁側からも「新天地でも頑張ってほしい」という空気が流れた。今は、右ひざの関節炎で出遅れた分を取り戻そうとしている。第1打席で中前安打を放ったように、開幕後も「成長」は「結果」で示すつもりだ。(井上翔太)