プロ野球・読売巨人軍の新人契約金をめぐる朝日新聞の記事で名誉を傷つけられたとして、巨人軍が5500万円の損害賠償などを朝日新聞社に求めた訴訟の上告審で、記事の根幹部分は「真実性がある」と認めた一方、一部の記述について朝日新聞社に330万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決が確定した。最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)が、24日付の決定で双方の上告を退けた。
対象とされたのは、2012年3月15、16日付の朝刊記事。巨人軍が、プロ野球12球団で申し合わせた新人契約金の最高標準額を超える契約を6選手と結び、合計額は36億円、超過額は27億円だったなどと報じた。
昨年9月の一審・東京地裁判決は「36億円は最高標準額を明らかに超過し、記事は重要な点で真実だ」などとして巨人軍の請求を棄却した。
今年6月の二審判決もこの点は「真実性の証明がある」と認定。巨人軍の契約を「金権野球」と報じたことも、「真実を前提とした論評の範囲を逸脱しない」として、名誉毀損(きそん)にはならないとした。
一方、記事中で、他球団の新人選手の契約金について、日本野球機構が厳重注意処分とした例があることを示した部分について、「他球団と巨人軍の事例は違うのに、『同じ厳重注意処分に相当する』という事実を示した」と指摘。この記述が名誉毀損に当たるとして一審判決を変更し、朝日新聞社に賠償を命じた。
読売巨人軍広報部は今回の決定についてコメントを出したが、朝日新聞の記事の根幹部分を「真実性の証明がある」とした判決が確定する点については触れていない。
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《朝日新聞社広報部のコメント》 巨人軍が6選手と最高標準額を大幅に上回る契約金を支払う契約を結んでいた、とする記事の根幹部分は真実だと認められた、と受けとめています。
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《読売巨人軍広報部のコメント》 朝日新聞が必要な取材もせずに報道した記事により、当球団の名誉が毀損されたと認定した判決が、最高裁で確定したことは妥当だと考えます。当球団は、記事を真実と誤って認定した朝日新聞の「報道と人権委員会」に、見解の見直しを求めます。